大学陸上部の長距離陣が木曽福島の大学施設で合宿を行っていたので、宿泊させていただき、長野の山々を楽しむことにした。
木曽福島の施設は木曽駒ガ岳の麓にあるため、木曽駒ガ岳に登ろうと考えていたが、どうも雲行きがよくなかったため経ガ岳へと変更した。しかし、途中の国道が通行止めのため遠回りしないといけなくなったため、この風越山に行くことになったというややこしい理由がある。
風越山へは国道19号を寝覚の床交差点で東方向に進み吉野集落に入っていき、林道吉野東野線で高度を上げていく。しばらく走ると左手に標識の建っている風越山登山口があり、そのすぐ手前に3台ほどの駐車スペースがある。
登山口
やっとのことで登山開始だ。背の高い松の木々が多く立ち並ぶ急登の道をジグザグに登るところから始まる。歩いている道のすぐ脇には花々が咲いているので急な登りでも楽しんで登ることができる。
しばらくこのような道が続くことになり変化が少ないが、一つの木から3〜4本の木が生えている木々を見たり、とてもきれいなカワチブシなどの草花を見たりと相変わらず楽しみの多い登山道ではある。
カワチブシ
歩き出すこと50分、カヤト境に出て展望も開けてくる。今登ってきた方向をみると吉野集落の街並みや雲が掛かっていてはっきりしないが御嶽山らしき姿も見ることができる。また、正面には三ノ沢岳を近くに見ることができる。
まず、カヤトというのは漢字で「茅戸」と表す。茅は葉が細長いススキやチガヤなどのことをいい、戸は所を意味するので、つまりはススキやチガヤなどが生えているところである。
その名の通り、カヤト境を過ぎると景色は一変して脚丈程の草原が広がり、一面に花が咲き、たくさんの蝶が舞っている綺麗な場所だ。しかし、斜面は急なままであるので足元には注意して登っていくことになる。
クジャクチョウ
草原の中を歩きながら高度を上げていくと脚丈ほどの草も肩丈程のススキに変わり、視界が遮られるようになるので足元の踏み跡を頼りに歩を進める。
二人とも肩丈ほどもある草に苦戦しながら、気づいたら両手を前に出し、まるでキョンシーのような格好をしていた。
このような藪漕好きな人にはたまらないコースではないかと思う。
やっとの思いで藪漕道を過ぎると芝生が綺麗な風越の頭に出る。ここが初めのピークとなり良い休憩場所だ。
休憩しようかとも思ったが山頂まであとわずかなのでとりあえず山頂まで行くことにした。
風越の頭
風越の頭からはシダが生い茂る道を一度下り、落葉樹が陽の光を遮りどことなく暗い道を歩くとまもなく山頂へとたどり着いた。
山頂には風越山頂と書かれた大きな柱がありその手前には三角点がある。中央アルプスがすぐ目の前にあるのに展望は開けないのが残念であるが、至展望5分の標識に従い奥に進むとアルプスの展望が広がる絶好のポイントに出る。
目の前には雄大にたたずむ木曽駒ガ岳と中央アルプスの山々が大迫力で見ることができる。木曽駒ガ岳山頂付近には雲がかかり、やはり木曽駒ガ岳をやめてこの山を選んで正解だと思った。
中央アルプス木曽駒ガ岳を望む
アルプスの山々をみながら、ちょっと早めの昼食を食べてゆっくりとしてから下山した。
< コースタイム >
登山口(8:00)→ カヤトの境標識(8:50)→ カヤトの丘標識(9:04)→ 風越の頭(9:12)→ 山頂三角点(9:28)→ アルプス展望箇所(9:36)→ 登山口(10:55) |