この日は山に行く予定はなかったが、朝起きるとあまりに天気がよかったので出かけることにしました。すぐに身支度をしてとりあえず鈴鹿へ向かうことに。
どこに登るかも決めていなかったが雨乞岳が頭に浮かんだ。雨乞岳は鈴鹿セブンマウンテンの最高峰である。
菰野町で渋滞に巻き込まれたものの自宅からはおよそ2時間の道のり。鈴鹿スカイラインに入ってから「やけに車が多いな〜」と思っていたら土砂崩れで片側通行になっていたのと紅葉のため普段よりも車量が多いのも相まって混雑していた。
鈴鹿に着いたのが12時くらいだったので路肩には紅葉見物と登山の車で埋まったいた。参考本には稲ガ谷橋には2,3台駐車可と書かれていたが今日の様子では駐車できないことも覚悟していた。武平峠から3.8kmの所にある稲ガ谷橋に着くと2台の駐車はあったものの幸いにもあと1台駐車可能だった。
車を停め早速歩き始めた。初めは少しだけ沢沿いとなる。沢を右へ左へ渡りながら歩いて行くと左に大きな岩肌が現れる。その右には急坂がある。どっちに行くのかと思って辺りを見渡すと急坂にテープがしてあるのが目についたので登っていく。
20mくらい登ったときに「こんなの絶対下りれん」と嘆きながら必死に登っていく。登りきるとはっきりした登山道はなくテープのみを頼りに更に登っていく。どこが登山道かも分からないので、ここからはいかに上手くテープを見つけるかがポイントだろう。
後になって分かったことだが、本当は滝をすぎて左側の山腹を登っていくと正規の登山道となるようだ。即日実行だったのでしっかりとコースを覚えることができずコースを間違えてしまっていた。
杉林の中の急坂をひたすら登る。少しも平坦になる場所はなく結構きつい。すると気づかぬうちに杉林から葉が落ちた木が多くなっていて、高度もどんどん上がり少し小高いところに着く。
何やら木に小さな看板らしき物が付いていたので見てみると「三人山 1014m」と書かれていた。手にした資料にもそんな記載は見あたらないのでコースから外れていることに初めて気づきました。
けれども今までの道に比べるとテープの数も増え、少しうっすらとではあるが道らしきものがあるので安心はした。
これもまた後になって分かったことだが、どうやら沢の右手に入ってしまったために武平峠からの登山道である沢谷峠からの分岐の一つの方に進んでいってしまっていたようだ。
三人山山頂
ここからは一度大きく下り、遂に雨乞岳本体を登ることとなる。前よりは道もはっきりしているので気持ち的には楽である。
しかし、ここからもテープなしには登ることは難しいのでしっかりとテープを目印に登る。すると次第に山頂かと思う部分が現れてくる。普段ならここで力が湧き上がってくるのだが、今回は前半で力を使い過ぎたため思ったように体が進まない。
あと少しと思いながら上を目指す。すると木から笹道へと変わってくる。こうなると東雨乞岳(1220m)まではあとわずか。最後の力を出して一歩一歩登っていくと視界が急に開ける。左手には雨乞岳、手前には東雨乞岳が見える。ここまで来れば後はほとんど平坦な道を歩くのみである。
東雨乞岳には60代くらいの7人のグループが休憩していた。私も休憩しようかと思ったのだが、雲行きが怪しくなってきたので先を急ぐことにした。東雨乞岳から雨乞岳へは6分程度で行けるのであるが、その途中に雨が降ってきてしまった。
「名古屋はあんなに晴れてたのに…」と雨具を持ってこなかった自分を悔やんだ。笹の陰に隠れて少し雨を避けると1mmもないくらいに小さな氷が降ってきた。ひょうだ。やむ気配もないので雨乞岳へ足を進めた。
雨乞岳山頂からは南側の展望が良く、左手に御在所岳、正面に鎌ヶ岳を臨むことができる。どちらも登ったことがあるので当時のことも思い出しながら眺めていた。天気が良ければもっと気持ちいい眺めを見ることができるだろう。
雨もやまないので早々に東雨乞岳に折り返すこととした。
東雨乞岳は360度の展望があり辺りを遮るものは何もない。この頃には雨もやんだので景色を楽しみながら遅い昼食を食べることにした。
せっかくの休みに一人で山頂で目の前の山を見ながらおにぎりを食べる。いかにも寂しい限りだが、単独で初めて1000mを超える山を登った満足感はそんな事も吹き飛ばしてくれた。
一休みした後、下山することに。
途中までは登りと同じ道を進んだがどうしても前半の急坂は下りれんと思ったので他の道はないかと辺りに気を配りながら下りていくと新たな道を見つけることができた。
この道は登りの道よりも登山道ははっきりしている。どのコースかは分からないが行きよりも東側のルートを進んでいたと思う。何回かアップダウンを繰り返しながら、途中で5匹もカモシカを目撃。
最終的に武平峠から1.0kmの大きくカーブする部分に出た。下りていたときは自分がどこを歩いていたのか分からなかったので登山口からどのくらいずれているかも全く不明だった。それにしても2.8km分もずれているとは。
ここからは車に注意しながら鈴鹿スカイラインを下りていくことになりました。
コースタイム:登り(東雨乞岳まで1時間30分、東雨乞岳⇔雨乞岳は6分くらい)、下り(鈴鹿スカイラインまで1時間強、鈴鹿スカイラインから30分で登山口) |